2015年6月26日金曜日

シャープについて今思うこと

私は、2012年に希望退職といういわゆるリストラにあった。
話を聞いた時は、なぜ私を切るのか?という思いと、
抵抗しても、不毛な時間を浪費するだけだろうという思いだった。

世間では、トップの経営判断が問われている。もちろんそれは原因の一つだ。
舵をいい方向に切っていれば、企業体の負の部分も表に出てこない。
よく言われているように、液晶に特化して道を誤ったわけだ。結果論だけど。

問題は、新たな方向に舵を切れない体質にあると思う。
若手や、革新的な考えを持つ社員は社内で声を上げていたのだ。
しかし、それが取り上げられることはなかった。

遡れば、液晶の技術で事業拡大しイケイケドンドンだった頃が、私が入社した1990年代。
周りの方々がどんどん管理職に昇格されていた。
何も世間を知らない私は、そういうもんだと思っていた。
けれども、厳しい時代になるにつれ当然ながらそんなことは稀になってきた。

どこと比較したわけではないが、シャープの業績評価は現場の上司にほぼ一任されている。
全社の人事部の影響は皆無だ。

そうした中、評価されるのは誰になるのかというのが肝だ。
評価された人がその後の会社を背負っていくのだから。

ここで社風が影響しているのかもしれないが、
評価されるのは保守的に文句を言わず、従順な社員なのだ。
革新的な社員は放ったらかしにされる。

今だから言うが、退職する頃の在籍した本部・部署はひどいもんだった。
無能な上司が彼に従順な無能な部下を評価してるんだもの。
それで会社が回っていた時は良かっただろうけれど、ダメな時は方向転換さえ出来ない。

超有能な人は、会社から残ってほしいと言われても、社外で自己実現の場を求めて飛び出しただろう。
普通の有能な人は、会社からいなくなってほしいと思われて、社外に出ただろう。

そして、無能な従順な人が今残った。ということ。

中国の兵法書「六韜(りくとう)」が頭をよぎる。
「交渉の為に隣国から使者が来て、もしその者が有能ならば何一つ与えず返せ。
 交渉の為に隣国から使者が来て、もしその者が無能ならば大いに与え、歓待せよ。
 そうすれば、隣国では無能な者が重用され、有能な者が失脚する。
 そしてやがては滅ぶ」

使者の例えはさておき、無能なものが重用されればやがてその国は滅ぶのだ。

自分は、今別の会社に拾ってもらって楽しんでるので、
この先この会社の行く末を酒でも飲んで眺めさせてもらおう。

貴重な、教訓を実体験させてもらった。

セラビ。