2016年8月23日火曜日

2016-08-23シャープの「信賞必罰」

鴻海からシャープへの出資は、中国の独禁法審査が長引いたがようやく完了。
新しい社長は、信賞必罰(功績ある者は必ず賞し、罪過ある者は必ず罰する)と言う。

これを喜ぶおめでたい人はいるのだろうか?

法治国家とはいえない中国の審査など、出資延期のための理由にすぎないでしょう。
契約の条文通り、出資せずに液晶技術だけいただく等、料理の手順をゆっくり考えていたんだろう。
そしてシナリオを描けたのでようやくアクションした。その最初が、「信賞必罰」。

三菱自動車の例もあるけれど、大企業の社内風土を変えるのは容易ではないだろう。
だって功罪を判断する管理職・上層部さえ腐ってるんだから。
社長が社員一人一人を自ら判断できるような規模の会社なら変えられただろうけれどね。

つまり、フェイク。
液晶技術の中国への移植完了まで会社は残し、
その後倒産させた時にも非難されないようなシナリオを描けた。
今回はそんなタイミングだったんではなかろうか。





2016年2月29日月曜日

2016-02-29シャープの「後出しジャンケン」

シャープの「後出しジャンケン」は、誰に有利で誰に不利だったのか?

シャープは鴻海との契約成立とクロスして偶発債務をねじ込めると思ったのか?
もしそうなら、「アホもいいところの恥さらし」だ。

しかし、そうでないとしたら誰かがリークさせたのか?

1.鴻海だとしたら、
いくらでも有利な条件を言っておいて、なびいて戻れなくなったところで責める作戦。
偶発債務なんて買収劇ではよくある事で、鴻海だってある程度想定していただろう。
シャープ側から契約前迄に産業革新機構と同じ情報が鴻海に示されていたなら、
今回の偶発債務を、シャープ側が契約前に開示していなかったとしても罪はないはず。
それを鴻海の息のかかったシャープ内部員からリークさせて、逆ネジかました形。

ただ、シャープを倒産させずに買収額を下げたところで、
買った後に立ち直らせるために必要な額は同じだろうから、
鴻海は、年度末をリミットに負債者との関係を整理して、
倒産時(負債を白紙にした時)の価格から少し上の価格を提示するんだろう。


2.産業革新機構だとしたら、
負債額が、シャープがあらわに開示してる以上に、外資が買収したらこんなにあるんだよと、
本当に教えてあげて、買収をあきらめさせる。(そんなこと知らんわけないやろ^_^;)
年度末を迎えて倒産しても、その後で国内でなんとかすれば、技術流出は防げる。


ここまで考えると、素人の私でも1.と思うけど、
もしかして最初に書いた「アホもいい所の恥さらし」だったのかもしれない(-ω-)

2016年2月6日土曜日

お山の楽しさ

トレイルランニング、山登り、ハイキング、
自分が楽しんでいるのは、こんな言葉で表現される領域。

お山へ行って、自然を楽しみながら、
これって何を楽しんでるんだろうって常々思う。

極端なケース、全く一人で道具もなしに道なき未踏の山へ入っていくことをイメージすると、
それは恐いだけで楽しめないなと思う。


先人の切り口に共感したので紹介です:-)

朝の空気の「爽やかさ」での例えが面白い。
(「我々」と「己」とを使い分けてます:-)

”朝の爽やかさ” は ”お山の楽しさ”に置き換えられると思う:-)


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「風土」(和辻哲郎著)第1章 風土の基礎理論 の一節

我々がある朝「爽やかな気分」において己を見いだす。

これは空気の温度と湿度とのある特定の状態が外から影響して内に爽やかな心的状態を引き起したとして説明せられている現象であるが、しかし具体的経験においては事情は全く異なっている。

そこにあるのは心的状態ではなくして空気の爽やかさである。

が、空気の温度や湿度として認識せられている現象は、この爽やかさそのものと何の似寄りも持たない。

爽やかさは「あり方」であって「もの」でもなければ「物の性質」でもない。
それは空気というものに属してはいるが、空気自身でもなく空気の性質でもない。

だから我々は空気というものによって一定のあり方を背負わされるのではない。

空気が「爽やかさ」のあり方を持つことは取りも直さず我々自身が爽やかであることなのである。すなわち我々が空気において我々自身を見出しているのである。

しかしまた空気の爽やかさは心的状態の爽やかさではない。

それを最もよく示すものは朝の爽やかな気分が直接に我々の間の挨拶として表現せられるという事実である。

我々は空気の爽やかさにおいて我々自身を了解している。

爽やかなのは己の心的状態ではなくして空気なのである。
だからこそ我々は、他人の心的状態に目を向けるというごとき手続きを経ることなく、
直接に互いの間において「いいお天気で」「いい陽気になりました」などと挨拶する。

我々はともに朝の空気の中へ出て、ともに一定の存在の仕方を背負うのである。

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「背負う」って比喩は、まいいか:-)



2012.01.25記

2016年2月1日月曜日

2016-02-01おつりの渡し方

コンビニとかスーパーとかで、毎日レジで精算しておつりをもらう。
固っ苦しいこと言うと、人と人のコミュニケーションはここだけなので、
かなり貴重な瞬間なのだ。

「・・・カードはお持ちですか?」とか、「・・・のお返しです。」とか
ロボットでも出来そうな定形文句はどこも同じだけれど、
おつりの渡し方は、各コンビニでも違うし、個人差も大きいと思う。

分類するつもりはないけれど、ばっちい物に触れたくない的に、
チャリンと手のひらに落とすバイトガールに遭遇すると悲しくなる。

ローソンは最低。イオンやセブンは教育されている。

ここが日本の「お・も・て・な・し」だと、気づいてくれよ。


2015年6月26日金曜日

シャープについて今思うこと

私は、2012年に希望退職といういわゆるリストラにあった。
話を聞いた時は、なぜ私を切るのか?という思いと、
抵抗しても、不毛な時間を浪費するだけだろうという思いだった。

世間では、トップの経営判断が問われている。もちろんそれは原因の一つだ。
舵をいい方向に切っていれば、企業体の負の部分も表に出てこない。
よく言われているように、液晶に特化して道を誤ったわけだ。結果論だけど。

問題は、新たな方向に舵を切れない体質にあると思う。
若手や、革新的な考えを持つ社員は社内で声を上げていたのだ。
しかし、それが取り上げられることはなかった。

遡れば、液晶の技術で事業拡大しイケイケドンドンだった頃が、私が入社した1990年代。
周りの方々がどんどん管理職に昇格されていた。
何も世間を知らない私は、そういうもんだと思っていた。
けれども、厳しい時代になるにつれ当然ながらそんなことは稀になってきた。

どこと比較したわけではないが、シャープの業績評価は現場の上司にほぼ一任されている。
全社の人事部の影響は皆無だ。

そうした中、評価されるのは誰になるのかというのが肝だ。
評価された人がその後の会社を背負っていくのだから。

ここで社風が影響しているのかもしれないが、
評価されるのは保守的に文句を言わず、従順な社員なのだ。
革新的な社員は放ったらかしにされる。

今だから言うが、退職する頃の在籍した本部・部署はひどいもんだった。
無能な上司が彼に従順な無能な部下を評価してるんだもの。
それで会社が回っていた時は良かっただろうけれど、ダメな時は方向転換さえ出来ない。

超有能な人は、会社から残ってほしいと言われても、社外で自己実現の場を求めて飛び出しただろう。
普通の有能な人は、会社からいなくなってほしいと思われて、社外に出ただろう。

そして、無能な従順な人が今残った。ということ。

中国の兵法書「六韜(りくとう)」が頭をよぎる。
「交渉の為に隣国から使者が来て、もしその者が有能ならば何一つ与えず返せ。
 交渉の為に隣国から使者が来て、もしその者が無能ならば大いに与え、歓待せよ。
 そうすれば、隣国では無能な者が重用され、有能な者が失脚する。
 そしてやがては滅ぶ」

使者の例えはさておき、無能なものが重用されればやがてその国は滅ぶのだ。

自分は、今別の会社に拾ってもらって楽しんでるので、
この先この会社の行く末を酒でも飲んで眺めさせてもらおう。

貴重な、教訓を実体験させてもらった。

セラビ。



2015年5月20日水曜日

2015-05-17大阪都構想は住民投票で否決された

大阪府と大阪市の二重行政の無駄を省き、新しい大阪を創り出そうとした画期的な活動が否決された。
投票率は比較的高く、賛否も拮抗していた。あと一歩、なぜ新しい未来へ踏み出せなかったのだろうか?

反対する政治家の意見は、保身的で対立する提案があったわけではない。
対立する2つの提案を選択する投票ではなかった。
現状のままか、新たに踏み出すかを選択する投票だった。

そして全体で見れば大阪市は現状維持を選んだ。

世代別で見ると、若年層60代?までは賛成で、70代以上が反対だったらしい。
何じゃそれ?っていう思いだが、この数字は選挙当日の出口調査のもので、
実際には期日前投票で組織票が大きく関与したらしい。

選挙前には、電話アンケートで、「賛成の方は投票しなくていいですよ」なんて活動もあったそうな。
既得組織はあらゆる手段を取るよねぇ、恥ずかしくないのかなぁ。
お金儲けで政治家やっちゃいかんよ。
まさか、沖縄の知事や似非デモ市民のように中国から支援されてるんじゃなかろかと不審に思うほどだ。


今回の結果から言えることは、
政治の世界では、どんなに素晴らしい提案でも、それを既得権者が納得了承することがなければ、
新たなルールには移行しない。と言うことなんかなぁ~。

貪欲なジジイ・ババアが健在ってことだ。
これから既得権譲り受ける人たちもなくならないだろうから、
根本的な行政改革は10年単位でしばらくは厳しくなっただろうね。

提案の素晴らしさをアピールするだけでなく、
既得権者にNOと言わせない、見方につける工夫が必要ってことかな。


橋下さんは政治家を辞めると言っているけど、生来の政治家ならこんなことで辞めはしないだろう。
生来政治家でない人が政治を一生懸命やったら、こんな結果で終わりました。ってことだ。
この後どうなるのかはわからないけれど。
橋下さんは政治家としての力量を最大限に発揮されたのだ。誠心誠意努力されたことに敬意を表します。

残る政治家さんは、今回の投票結果で半数の方は都構想に賛成していた
特に若い世代は賛成していたことを真摯に受けとめ、
橋下さんがいなくなったからといって現状維持でいいんだとあぐらをかくことなく、
市政に努めてほしい。



2015年3月20日金曜日

2015-03-20毎朝、散歩する老夫婦

毎朝、通勤に駅まで自転車を走らせていると、
だいたい同じ場所で、老夫婦が散歩しているところに遭遇する。
8時前ぐらいだろうか。

お爺さんは、電信柱に寄りかかりながら一歩一歩足を前に出すことに努力されている。
お婆さんは、その後ろで直ぐに手を差し伸べられるように付き添っている。
お二人とも笑顔だ。

早朝に起きて、朝食を摂り、出かける準備をして、帰ったらお昼寝だろうか。

自分が出来る能力の範囲で、少しだけでも可能性を広げようとする姿勢に感銘する。

というか、他の生物は知らないけれど、
人間ってやっぱり、生きていくには未来へ投機していかなければ生きていけない生物なんだと思う。